リフォームの見積書の書き方 — 記入例つきで10項目を解説
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見積書の書き方を実務目線で解説します。うちも昔は手書きとExcelで、夜に見積を清書する毎日でした。この記事では、うちの店で使っている書き方と、もめないための注意点を、記入例つきでまとめます。
見積書には最低限なにを書けばいい?
直答: 宛名・発行日・見積番号・有効期限・工事名と場所・明細(工種/数量/単価/金額)・諸経費・消費税・合計・自社情報と振込先。この10点があれば実務は回ります。
順に見ていきます。
- 宛名: 「◯◯様邸 改修工事」のように、施主名と現場が結びつく書き方にしておくと、後から探すときに迷いません。
- 発行日と見積番号: 番号は通し番号で十分です。再見積・変更見積が出たときに「どれが最新か」を追えることが目的です。
- 有効期限: 材料費が動く時代なので必ず入れます(詳しくは後述)。
- 明細: この記事の本丸です。次の見出しで詳しく書きます。
- 自社情報: 会社名・住所・電話・登録番号(インボイス登録済みの場合)・振込先。
ちなみに、うちは凝った採番ルールを作っていません。日付+その日の振り分け番号(例: 20260711-01)くらいで十分です。番号の形式に正解はなく、大事なのは再見積や変更見積が出たときに「どれが最新か」を迷わず追えること、それだけです。
下の画像は、この10項目が実際に入った見積書の記入例です(リフォラクで作ったサンプルPDF)。

「工事一式」でまとめて書いていい?
直答: 一式でも違法ではありませんが、追加工事のトラブルの元です。工種ごとに数量×単価まで分けるのが、客にも自分の原価管理にも安全です。
「内装工事一式 ◯◯円」で出すと、その場は楽です。ただ、工事が始まってから「ここもやってくれると思っていた」が起きたとき、一式見積では線が引けません。含まれる・含まれないの根拠が書面のどこにもないからです。
うちの店では、次の粒度で分けています。
- 工種で分ける(解体/下地/クロス/床/設備/電気…)
- 工種の中は「品名・仕様、数量、単位、単価、金額」の5列
- 施主支給品・別途工事は、明細の外に「本見積に含まれないもの」として明記
もうひとつの理由は自分のためです。数量×単価まで分けてあると、工事が終わったあとに見積と実際の原価を突き合わせられます。一式見積は、どこで利益が消えたのかが永遠にわかりません。
諸経費はどう書けばもめない?
直答: 金額を隠さず1行で明示し、聞かれたら中身を説明できるようにしておくこと。後から上乗せするのが一番もめます。
諸経費は、現場管理費・交通費・駐車場代・廃材処分の手間・書類仕事など、明細の行にしにくい実費と手間の束です。もめるパターンは決まっていて、①見積に書かず請求で乗せる、②「諸経費」の行はあるが説明を求められて答えられない、の2つです。
正直に言うと、うちは工事によって変えています。小さな工事では諸経費の行を立てず、明細の単価に含めてしまうこともあります。行を立てるときの目安は10〜20%。方式はどちらでも構いません。
大事なのは率の高い低いではなく、見積の段階で金額が見えていることです。施主にとって諸経費は「よくわからない行」なので、聞かれたときに「現場の管理と廃材の処分、車両関係の実費です」と一言で返せる中身にしておきます。
消費税と端数はどう処理する?
直答: 税率と税額を必ず別記し、端数処理(切り捨て等)は社内で1つに固定します。見積・請求・領収で端数ルールが揺れると照合が合わなくなります。
- 消費税は「小計」「消費税(10%)」「合計」の3行で別記します。税込一本の書き方は、インボイス制度下では請求段階で困ります(適格請求書は税率ごとの区分記載が要件です。詳細は国税庁の一次情報をご確認ください: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm )。
- 端数は切り捨て・切り上げ・四捨五入のどれでも構いません。どれを選ぶかより「全書類で同じ」ことが重要です。見積で切り捨て、請求で四捨五入、のように揺れると、あとで1円単位の照合が合わなくなります。
- 値引きをする場合は、明細の単価をいじらず「お値引き」の行を独立させます。単価を崩すと、次回の見積で自分の単価がわからなくなります。
有効期限と注意書きはどう書く?
直答: 有効期限は発行日から2週間〜1ヶ月程度で明記し、注意書きには「見積範囲外の扱い」「追加工事の取り決め」を短く入れます。
材料費や職人の手配状況は動きます。期限のない見積は、半年後に「この金額でやって」と戻ってくることがあります。期限を書くのは断るためではなく、「その時点の条件で再見積します」と言える根拠を残すためです。
注意書き(備考欄)は長文にせず、次の3点があれば実務は足ります。
- 本見積に含まれない工事(別途工事)の明示
- 解体後に判明した下地の傷み等は、別途お見積のうえ施工すること
- 支払い条件(着手金・完工金の分け方と期日)
手書き・Excelより速い方法はある?
直答: あります。過去の見積から品名と単価を呼び出せる仕組みにすると、見積は「書く仕事」から「選ぶ仕事」になります。
手書きやExcelの見積がしんどいのは、書式ではなく「毎回ゼロから単価を調べて打ち直す」ことです。うちの店の事務のために、リフォラクというiOSアプリを自分たちで作りました。一度使った品名・単価がライブラリとして貯まり、次の見積では呼び出すだけ。メーカーからもらった見積書は写真から明細に転記できます。作った見積はそのまま契約・請求書・入金の記録までつながるので、この記事で書いた「見積と請求の端数ルールを揃える」も自動的に守られます。

まとめ
- 明細は工種ごとに数量×単価まで分ける(客のためでもあり、自分の原価管理のため)
- 諸経費は隠さず明示し、一言で説明できる中身にする
- 税・端数・値引きのルールは全書類で統一する
- 有効期限と「含まれないもの」を必ず書く
名古屋市でリフォーム会社を共同経営(2021年創業・5期目)。現場の見積・請求の実務に合わせて、リフォーム店向け業務サービス「リフォラク」を開発・運営しています。
見積・請求・入金・原価を、案件ひとつに。
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