介護保険の住宅改修費、工務店側の実務 — 事前申請・写真・理由書でつまずかない
リフォラク ブログ|reforaku.com手すり1本、段差1か所からでも使える介護保険の住宅改修費支給。上限20万円と小さな制度ですが、高齢のお客様が多いリフォーム店ほど出番が多く、順番と書類を間違えると1円も出ないという怖さがあります。この記事では、施工店側がやることを時系列で整理します。
介護保険の住宅改修は工事を先にやってもいいですか?
直答: 原則できません。支給を受けるには工事着工前に市町村へ事前申請し、確認を受けてから着工する必要があります。着工後の申請は原則対象外です。
制度の大枠はこうです。
- 対象: 要支援・要介護認定を受けた方が自宅で行う小規模な改修
- 支給限度基準額: 同一住宅につき20万円(数回に分けて使うことも可能)
- 自己負担: 1〜3割(所得に応じる)。つまり最大で18万円が支給されるイメージ
流れは「事前申請 → 市町村の確認 → 着工 → 完成 → 支給申請」。この順番が崩れる典型が「お客様に急かされてまず工事した」パターンで、あとから申請しても原則通りません。見積を出す段階で「介護保険の申請はお済みですか」と一言確認するのが、施工店にできるいちばんのトラブル予防です。
事前申請に必要な主な書類は次のとおりです(様式・細部は市町村により異なります)。
- 支給申請書
- 住宅改修が必要な理由書(ケアマネジャー等が作成)
- 工事費見積書
- 改修前の状態がわかる日付入り写真、完成予定の状態がわかる図面等
理由書はケアマネジャー等の作成ですが、「どこにどんな手すりを付けるか」は現場を見た施工店の提案が土台になります。ケアマネジャーと早めに連携し、理由書と見積書の内容を揃えておくと審査がスムーズです。
住宅改修費の支給対象になる工事は何ですか?
直答: 次の6種類です。
- 手すりの取付け
- 段差の解消
- 滑りの防止・移動の円滑化等のための床材の変更
- 引き戸等への扉の取替え(開き戸→引き戸、ドアノブの変更、戸車の設置など)
- 洋式便器等への便器の取替え
- 上記に付帯して必要な工事(手すり取付けのための下地補強、床材変更に伴う下地の補修など)
逆に、老朽化した設備の単純な交換や、リフォームのついでの美装工事は対象外です。「バリアフリー化の目的に対して必要か」が判断軸で、迷う工事は着工前に市町村へ照会するのが安全です。
見積書も「対象工事」と「対象外工事」が区別できる書き方にしておくと、審査での差し戻しが減ります。明細の分け方は見積書の書き方も参考にしてください。
改修前の写真を撮り忘れたらどうなりますか?
直答: 改修前の状態を証明できず、支給されないおそれがあります。日付入りの改修前写真と完成後写真のセットが必要なため、着工前の撮影を工程に組み込んでください。
住宅改修費は「改修したから支給する」のではなく「改修前後を比較して、必要な改修が行われたことを確認して支給する」制度です。だから写真は次の2点セットが基本です。
- 改修前: 撮影日がわかる写真(日付入り)。手すりなら取付け予定の壁面、段差なら現状の段差がわかる角度で
- 改修後: 同じ場所・同じアングルの完成写真
現場が始まると職人さんは工事を進めてしまうので、「前」の撮り忘れがいちばん起きやすい事故です。着工前チェックリストに撮影を入れる、担当者のスマホではなく写真台帳として案件に紐付けて残す、といった仕組み化をおすすめします。
なお、支給限度額20万円は原則1回きりですが、要介護状態区分が3段階以上重くなったときや転居したときはリセットされて再度使えます。該当しそうなお客様がいたら、市町村に確認してみてください。
まとめ
- 順番が命: 事前申請 → 確認 → 着工。工事を先にやると原則対象外
- 書類は「理由書(ケアマネ等)+見積書+日付入りの改修前写真」。ケアマネジャーとの早めの連携が近道
- 対象は手すり・段差解消・床材変更・扉取替え・便器取替え+付帯工事の6種類。迷ったら着工前に市町村へ照会
- 改修前写真の撮り忘れは取り返しがつかない。着工前の撮影を工程に組み込む
- 様式や運用は市町村ごとに異なる。この記事は一般的な流れの整理として使い、細部は必ず窓口で確認を
名古屋市でリフォーム会社を共同経営(2021年創業・5期目)。現場の見積・請求の実務に合わせて、リフォーム店向け業務サービス「リフォラク」を開発・運営しています。
見積・請求・入金・原価を、案件ひとつに。
リフォラクは、現役のリフォーム店経営者が自分の店で使うために作った、リフォーム店専用の業務サービスです。面倒な導入手続きはなく、今日はじめて、今日から使えます。
無料ではじめる最初の1ヶ月無料・月額9,900円(税込)・初期費用0円・いつでも解約OK
iPhone・iPad・Android・パソコン、どれでも。同じアカウントで使えます
AppleおよびAppleロゴは米国およびその他の国で登録されたApple Inc.の商標です。App StoreはApple Inc.のサービスマークです。
リフォラクブログ