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リフォームの相談は1年で1万1,004件 — 住まいるダイヤルの最新統計で見る、お客様が見積書で不安になるところと揉めごとの中身

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公開日: 2026-10-27筆者: 谷澤 悠太株式会社りぶずけあ 代表取締役
目次
  1. リフォームの相談は、どのくらいあるのですか?
  2. どんな不具合で相談が来ているのですか?
  3. お客様は、見積書のどこを不安に思っているのですか?
  4. 諸経費は、何%くらいが多いのですか?
  5. お客様と揉めたら、どこに頼れますか?
  6. 町のリフォーム店は、見積書と契約で何をしておけばいいですか?
  7. まとめ
  8. 参考

9月30日、住宅リフォーム・紛争処理支援センター(電話相談の窓口の愛称は「住まいるダイヤル」)が、「住宅相談統計年報2026」をまとめました。2025年度に寄せられた住まいの相談を集計したもので、リフォームの相談は1年で11,004件ありました。10月15日には、国の建設工事紛争審査会も最新の申請の状況を公表しています。この記事では、2つの公式の数字をもとに、お客様が見積書のどこで不安になるのか、どんなことで揉めているのか、そして町のリフォーム店が見積書と契約で先に打てる手を整理します。

リフォームの相談は、どのくらいあるのですか?

直答: 2025年度のリフォームの電話相談は11,004件(前年度比7.7%減)。そのうちトラブルに関する相談が7,363件で、雨漏りやはがれなどの不具合が起きている相談は4,082件でした。苦情の相手方は94.2%がリフォーム業者です。

住まいるダイヤルは、国土交通大臣の指定を受けた住まいの相談窓口で、建築士の相談員が電話で助言しています。2025年度の電話相談は全体で30,414件。そのうちリフォームの相談の内訳は、次のとおりです。

項目件数
リフォームの相談(新規)11,004件
うち、トラブルに関する相談7,363件
うち、住宅のトラブルに関する相談7,273件
うち、不具合が起きている相談4,082件
うち、不具合なし・不明(契約や代金の話など)3,191件

つまり、トラブルの相談のうち4割強は「工事の出来」ではなく、契約や代金など「話の食い違い」が中心です。工事の腕だけでは防げない揉めごとが、それだけあるということです。

どんな不具合で相談が来ているのですか?

直答: 戸建住宅のリフォームでは「はがれ」(18.8%)が最も多く、次いで「性能不足」(17.0%)、「雨漏り」(13.9%)、「ひび割れ」(13.3%)でした。マンションなどの共同住宅では「変形」(18.1%)が最も多くなっています。

年報の表を、多い順に抜き出すと次のとおりです(複数カウント)。

戸建住宅(n=2,949)割合多い部位
はがれ18.8%外壁、屋根
性能不足17.0%外壁、設備機器
雨漏り13.9%屋根、外壁
ひび割れ13.3%外壁、屋根
変形11.3%床、開口部・建具

共同住宅等(n=1,075)では、変形(18.1%・床、内装)、はがれ(17.1%・内装、床)、性能不足(16.7%・設備機器、内装)の順でした。

「性能不足」が上位に入っているのが目を引きます。お客様が「思っていたほど暖かくならない」「塗ったのにすぐ色あせた」と感じる場面です。工事の前に、その工事で何がどこまで良くなるのかを見積書や打ち合わせで言葉にしておくことが、あとで「性能不足」と言われないための一番の手です。

お客様は、見積書のどこを不安に思っているのですか?

直答: 住まいるダイヤルの「リフォーム見積チェックサービス」に見積書が送られた相談では、「工事内容や工事項目は適切か」が92.3%、「単価や合計金額は適正か」が91.6%でした。お客様は金額と同じくらい、「何をする工事なのか」を気にしています。

このサービスは、お客様が事業者から受け取った見積書について、契約の前に電話で助言するものです。2025年度は、見積書に関する相談が430件、見積書そのものを送ってもらってチェックしたものが141件ありました。数字を並べると、お客様の目線が見えてきます。

  • 相談の中身: 工事内容や工事項目は適切か(92.3%)、単価や合計金額は適正か(91.6%)
  • センターの助言: 工事範囲や工事内容の確認点(95.1%)、単価情報等の提供(94.4%)、契約時の注意点(58.7%)
  • 何社から見積を取ったか: 1社だけが61.2%。比べる相手がいないまま、見積書1枚で判断しようとしている人が多い
  • 見積書の書式: 工種別(塗装工事・内装工事など)が87.2%、部位・部屋別が12.8%

ここから言えるのは、相見積もりで負けないための安さより、1枚で中身が伝わる見積書が効くということです。1社だけに頼んだお客様が第三者に見てもらうとき、「工事範囲がはっきり書いてある」「品番や塗料の名前まで書いてある」見積書なら、相談員も「確認点」を挙げやすくなります。

諸経費は、何%くらいが多いのですか?

直答: 年報で集計された、諸経費が計上されている見積書(167件)では、「5%以上10%未満」が33.5%で最も多く、「5%未満」が29.3%、「10%以上15%未満」が24.6%でした。15%以上は合わせて1割強です。

諸経費は、お客様から見ると中身が分かりにくい項目です。割合を下げるよりも、「現場の管理費・運搬費・廃材の処分費などを含みます」と一言書いておくほうが、問い合わせを受けたときに説明しやすくなります。処分費を別の行に出しているなら、諸経費と二重に取っていないことも伝わります。

なお、見積金額の分布は、戸建住宅では「100万円超200万円以下」が33.6%で最も多く、共同住宅等では「1,000万円超」が39.7%でした。

お客様と揉めたら、どこに頼れますか?

直答: 建設工事の請負契約をめぐる紛争は、建設工事紛争審査会であっせん・調停・仲裁を申請できます。建設業の許可を持たない店の工事でも、工事現場のある都道府県の審査会が受け付けます。リフォーム瑕疵保険を付けた工事なら、弁護士会の住宅紛争審査会も使えます。

10月15日に公表された中央建設工事紛争審査会の2026年度第2四半期(7〜9月)の状況では、新規の申請が11件(昨年同期比4件増)。そのうち個人の発注者から請負人への申請が6件で、紛争の種類は工事瑕疵が5件と最も多くなっていました。

審査会の手続きは3つあります。国土交通省の案内をまとめると、次のとおりです。

手続き担当委員審理の回数の目安解決したときの効力
あっせん原則1名1〜2回程度民法上の和解
調停3名3〜5回程度民法上の和解
仲裁3名必要な回数裁判所の確定判決と同じような効力(仲裁合意が必要)

申請の手数料は、求める金額で決まります。たとえば500万円を求めるあっせんなら18,000円、調停なら36,000円です(別に通信運搬費が要ります)。どの審査会に出すかは、店の建設業の許可で決まります。

  • 国土交通大臣の許可を持つ業者が当事者 → 中央建設工事紛争審査会
  • 都道府県知事の許可を持つ業者が当事者(一方だけでも) → その都道府県の審査会
  • どちらも許可を持っていない → 工事現場のある都道府県の審査会

審査会は、近隣の方との工事の騒音の争いや、直接の契約がない相手との争いは扱いません。申請には工事の請負契約書と約款が「最も基礎的な証拠」になると、パンフレットにも書かれています。ここでも、書面に残っているかどうかがものを言います。

町のリフォーム店は、見積書と契約で何をしておけばいいですか?

直答: 見積書には工事の範囲と、使う材料の品番・仕様を書き、工事ごとに見出しを立ててまとめます。契約の前に「どこまでやるか・やらないか」を口頭で済ませず、変更が出たら書面で合意してから進めます。

統計から逆算すると、次の5つが効きます。

  1. 工事ごとに見出しを立てる: 「外壁塗装工事」「内装工事」のように工事の種類で分けて小計を出すと、お客様も第三者も中身を追えます(年報の見積書も87.2%が工種別でした)
  2. 仕様の欄に品番や材料の名前を書く: 「塗装一式」ではなく、塗料の名前・塗る回数・面積まで書くと、「性能不足」と言われたときに、何を約束したかを示せます
  3. やらないことも書く: 「既存の下地の補修は含みません(必要な場合は別途お見積り)」のように、範囲の外を書いておくと、追加工事のときに揉めません
  4. 諸経費の中身を一言添える: 管理費・運搬費・処分費のどれを含むかを書きます
  5. 変更は、版を残して合意する: 着工後の追加・変更は、直した見積書を出して合意してから進めます。前の見積書と何が変わったかを示せると、「聞いていない」を防げます

追加工事の進め方はリフォームの追加工事、揉めない進め方、契約書に書くことはリフォーム工事の契約書に書くべきことにまとめています。

まとめ

  • 2025年度のリフォームの電話相談は11,004件。トラブルの相談7,363件のうち、不具合が起きているのは4,082件で、残りは契約や代金などの食い違いが中心
  • 戸建住宅の不具合ははがれ・性能不足・雨漏り・ひび割れの順。「性能不足」と言われないよう、何がどこまで良くなるかを先に言葉にする
  • お客様が見積書で気にするのは「工事内容や工事項目は適切か」(92.3%)と「単価や合計金額は適正か」(91.6%)。6割は1社だけの見積書で判断している
  • 揉めたら建設工事紛争審査会(許可がない店どうしでも、工事現場の都道府県の審査会)。証拠の基本は請負契約書と約款
  • 見積書は、工事ごとの見出し・品番や仕様・やらないこと・諸経費の中身・変更の版の5つで、1枚で伝わる形にする

まずは次に出す見積書で、「この工事に含まないこと」を1行書き足してみるところから始めてみてください。

リフォラクの見積では、「大項目」で工事ごとに見出しを立てて明細をまとめられ、各行の「仕様」の欄に品番や塗料の名前を入れると、そのまま見積書に印字されます(明細の追加と数量・単価の入れ方)。受注したあとに内容を変えるときは「改訂」として新しい版が残り、前の版との差分(追加・削除・変更と総額の差)も見られます(受注したあとに見積を直すには?)。iPhone・iPad・Android・パソコン、どれでも同じ見積を作って直せます。iPhone・iPadはApp Store、AndroidはGoogle Playから入れられ、パソコンはそのまま登録して使えます。

※本記事は、住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅相談統計年報2026」(2026年9月30日)と、国土交通省・中央建設工事紛争審査会が2026年10月27日時点で公表している情報をもとに、実務の考え方を整理したものです。年報の数字は、相談者から聞き取った内容や提供された資料をもとに集計されたものです。個別の紛争については、審査会の事務局や弁護士にご相談ください。

参考

この記事を書いた人 谷澤 悠太株式会社りぶずけあ 代表取締役

名古屋市でリフォーム会社を共同経営(2021年創業)。現場の見積・請求の実務に合わせて、リフォーム店向け業務サービス「リフォラク」を開発・運営しています。

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