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リフォームの書類に収入印紙はいる? — 契約書・領収書・請求書の金額別早見と、電子で渡すときの扱い

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公開日: 2026-09-29筆者: 谷澤 悠太株式会社りぶずけあ 代表取締役
目次
  1. リフォームの書類で、収入印紙がいるのはどれですか?
  2. 工事請負契約書の印紙はいくらですか?
  3. 領収書の印紙はいくらですか?
  4. 税込と税抜、どちらの金額で判断する?
  5. PDFでメール・LINEで送ったら、印紙はいらない?
  6. 貼り忘れたらどうなる?
  7. 自分の書類に当てはめるチェック
  8. まとめ
  9. 出典

「契約書って、印紙いくら貼るんだっけ」「この領収書、印紙いる?」——書類を出す直前に手が止まる場面は、どの店にもあると思います。間違えると、あとで本来の3倍を払うことにもなりかねません。この記事では、リフォーム店が日常的に出す工事請負契約書・領収書・請求書について、印紙が要るかどうかと金額を、国税庁のタックスアンサーと質疑応答事例をもとに早見表にまとめました。PDFで渡すときの扱いもあわせて整理します。

筆者プロフィール: 谷澤 悠太 — 株式会社りぶずけあ 代表取締役。名古屋市でリフォーム会社を共同経営(2021年創業)。

リフォームの書類で、収入印紙がいるのはどれですか?

直答: 印紙が要るのは、工事請負契約書(注文請書を含む)と、5万円以上の代金を受け取ったときの領収書です。請求書と見積書は印紙税がかかる文書に入っていないため、そのままなら印紙は要りません。

印紙税がかかるのは、印紙税法で決められた20種類の文書だけです。リフォーム店の書類に当てはめると、次のようになります。

書類印紙国税庁の区分
工事請負契約書要る第2号文書(請負に関する契約書)
注文請書(お客様の注文を受けて店が出す書類)要る第2号文書(請負に関する契約書)
領収書・レシート・預り書5万円以上なら要る第17号文書(金銭の受取書)
請求書原則いらない20種類に入っていない
見積書原則いらない20種類に入っていない

注意したいのは、書類の名前ではなく中身で判断されることです。国税庁は、請求書に「済」「了」「代済」「相済」などと書いて、代金を受け取った証明として渡したものは、領収書(第17号文書)にあたると説明しています。「請求書に『領収済』のハンコを押して渡す」運用をしている店は、その請求書に印紙が要ると考えてください。

工事請負契約書の印紙はいくらですか?

直答: 令和9年3月31日までに作る建設工事の請負契約書は、軽減された税額が使えます。契約金額が1,000万円以下なら、印紙は200円〜5,000円です。

リフォーム工事の契約書も、この軽減措置の対象です。国税庁の質疑応答事例では、対象となる「建設工事」は建設業法でいう建設工事で、土木建築に関する工事の全般をいうとされています。

契約書に書いた契約金額軽減後の印紙(令和9年3月31日まで)本来の印紙(本則)
1万円未満非課税非課税
1万円以上 100万円以下200円(軽減なし)200円
100万円超 200万円以下200円400円
200万円超 300万円以下500円1,000円
300万円超 500万円以下1,000円2,000円
500万円超 1,000万円以下5,000円1万円
1,000万円超 5,000万円以下1万円2万円
5,000万円超 1億円以下3万円6万円
契約金額の記載がないもの200円(軽減なし)200円

契約書まわりで、よく迷うポイントは次の3つです。

  • 2通作ると、2通とも印紙が要る: お客様用と店用に同じ契約書を作り、双方が署名・押印してそれぞれ持つ場合、どちらも契約の成立を証明する書類なので、両方に印紙が要ります。コピー機でコピーしただけで署名や押印のないものは、単なる写しで課税されません。
  • 追加工事の変更契約書も対象: 工事金額の変更や工事内容の追加で作る変更契約書・補充契約書も、軽減措置の対象です。もとの契約書を特定できる書き方(契約日や書類名など)をして、増えた金額を書いた場合は、増えた金額で印紙額を見ます。もとの契約書が特定できない書き方だと、変更後の金額で見ることになります。
  • 軽減措置には期限がある: 軽減税率が使えるのは、令和9年3月31日までに作成された契約書です。契約書の様式に印紙額の目安を書き込んでいる店は、期限が近づいたら国税庁の案内を確認し直してください。

契約書そのものに何を書くかは、リフォームの契約書、何を書けばいい?で整理しています。

領収書の印紙はいくらですか?

直答: 工事代金の領収書は、受け取った金額が5万円未満なら非課税、5万円以上100万円以下なら200円です。金額が上がるほど印紙額も上がります。

領収書に書いた受取金額印紙
5万円未満非課税
5万円以上 100万円以下200円
100万円超 200万円以下400円
200万円超 300万円以下600円
300万円超 500万円以下1,000円
500万円超 1,000万円以下2,000円
1,000万円超 2,000万円以下4,000円
受取金額の記載がないもの200円

工事代金は「売上代金」にあたるので、上の表で見ます。国税庁は、手付けも売上代金に含むとしています。工事代金を分けて受け取り、そのたびに領収書を出す場合は、それぞれの領収書に書いた受取金額で表を見ます。

なお、「営業に関しない受取書」は非課税ですが、株式会社などの会社や、商売として工事を請け負う個人事業主が工事代金を受け取るのは「営業」にあたります。店が出す工事代金の領収書は、この非課税には当たらないと考えてください。

クレジットカード払いの領収書は、お金を受け取った証明ではないため、印紙は要りません。ただし国税庁は、クレジットカード払いであることを領収書に書いておかないと、通常の領収書として扱われると説明しています。カード払いの領収書には「クレジットカード利用」と書き添えましょう。

税込と税抜、どちらの金額で判断する?

直答: 消費税の課税事業者なら、書類に消費税額を分けて書く(または税抜価格と税込価格を両方書く)と、税抜の金額で印紙額を判断できます。「税込」とだけ書くと、税込金額で判断されます。

この扱いが使えるのは、第1号・第2号・第17号の文書に限られます。リフォームの契約書と領収書は、ちょうど対象です。以下は架空の例です。

書き方判断に使う金額契約書の印紙(軽減後)
請負金額 330万円(うち消費税額等 30万円)300万円500円
請負金額 330万円(税抜 300万円)300万円500円
請負金額 330万円(税込)330万円1,000円

領収書でも同じです。たとえば「工事代金 49,000円・消費税額等 4,900円・合計 53,900円」と分けて書けば、判断に使う金額は49,000円で5万円未満になり、印紙は要りません。「53,900円(税込)」とだけ書くと5万円以上として200円の印紙が要ります。

ひとつ注意があります。消費税の免税事業者は、書類に消費税額を分けて書いても、その分も含めた金額で判断されます。インボイス未登録で免税事業者のままの店は、税込の金額で表を見てください。

PDFでメール・LINEで送ったら、印紙はいらない?

直答: いりません。国税庁は、電磁的記録(電子データ)は印紙税の対象となる「文書」に含まれないため、課税されないと回答しています。

国税庁の質疑応答事例では、建設工事を請け負う会社が、書面の注文請書の代わりに、受注する旨や請負内容を記録した電子データに電子署名を付けて取引先へ電子メールで送った事例について、「電磁的記録は文書に含まれません」「印紙税は課税されません」と答えています。

また、ファックスや電子メールで送った場合について、国税庁は、正本は送った側に残っていて相手に渡されておらず、相手先で印刷したものは写しと同じなので課税対象にならない、と説明しています。

リフォーム店の実務に置き換えると、次のように考えられます。

  • 契約書や領収書をPDFにして、メールやLINEで送る → 印紙は要らない
  • お客様が受け取ったPDFを自分で印刷する → その印刷物にも印紙は要らない
  • 紙に印刷して、双方が署名・押印したものを相手に渡す → 紙の契約書・領収書なので印紙が要る

「PDFで送ったうえで、念のため署名した紙も郵送する」とすると、その紙には印紙が要ることになります。どちらで渡すかを決めておくと迷いません。請求書は紙でもPDFでも、「済」などを書いて受取の証明にしない限り印紙は要りません。

貼り忘れたらどうなる?

直答: 本来の印紙税額の3倍の過怠税がかかります。税務調査の前に自分から申し出れば、1.1倍に軽くなります。

  • 印紙を貼らなかった場合: 納めなかった印紙税の額と、その2倍を合わせた金額(本来の3倍)
  • 調査を受ける前に、税務署へ「印紙税不納付事実申出書」を出した場合: 本来の1.1倍
  • 印紙を貼ったが消印(貼った印紙に印鑑や署名で印をすること)をしなかった場合: 消印していない印紙の額面と同じ額

過怠税は、法人税の損金にも所得税の必要経費にも入れられません。貼り忘れに気づいたら、早めに税務署へ申し出るのがいちばん損の少ない対応です。

自分の書類に当てはめるチェック

書類を出す前に、上から順に確認してください。

  1. それは契約書・注文請書か、領収書か。請求書・見積書なら原則いらない(「済」「領収」を書いていないか確認)
  2. 紙で渡すか、PDFで渡すか。PDFだけなら印紙はいらない
  3. 消費税を分けて書いているか。課税事業者なら、分けて書けば税抜で判断できる
  4. 表のどの金額帯か。契約書は令和9年3月31日までなら軽減後の欄、領収書は5万円未満なら非課税
  5. 紙に貼ったら消印をしたか

まとめ

  • 印紙が要るのは工事請負契約書(注文請書を含む)と5万円以上の領収書。請求書・見積書は原則いらない
  • 契約書は令和9年3月31日まで軽減税率。100万円超200万円以下200円、200万円超300万円以下500円、300万円超500万円以下1,000円、500万円超1,000万円以下5,000円
  • 領収書は5万円未満なら非課税。5万円以上100万円以下は200円
  • 課税事業者なら、消費税額を分けて書くと税抜で判断できる。免税事業者は税込で判断
  • PDFでメール・LINEで送れば印紙は要らない。紙に署名・押印して渡すなら要る
  • 貼り忘れは3倍、自分から申し出れば1.1倍

印紙代は1枚あたりは小さくても、契約書を2通作る・分割で領収書を何度も出す、といった積み重ねで少しずつ効いてきます。まずは「どの書類を、紙とPDFのどちらで渡しているか」を一度書き出してみると、自店で見直せるところが見えてきます。

書類を紙で作って郵送している店は、PDFで送る流れにしておくと、印紙だけでなく印刷や郵送の手間も減らせます。リフォラクでは、見積や請求書をPDFにして、そのままLINEやメールで送れます(見積書PDFをLINE・メールで送るには?・見積から請求書を作るには?)。

※本記事は2026年9月29日時点で国税庁が公表している情報(令和8年4月1日現在の法令等)をもとに、実務の考え方を整理したものです。個別の書類に印紙が要るかどうかの判断は、所轄の税務署や税理士などの専門家にご確認ください。

出典

この記事を書いた人 谷澤 悠太株式会社りぶずけあ 代表取締役

名古屋市でリフォーム会社を共同経営(2021年創業)。現場の見積・請求の実務に合わせて、リフォーム店向け業務サービス「リフォラク」を開発・運営しています。

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